ひとりで歩く通学路はすこぶる天気が悪い。北風が吹き抜け、頬を冷たい風がなぞる。
「さむっ、」
眉間に皺を寄せ、肩を竦めた。
次の風に備え、首に巻いたボルドーのマフラーで口元を隠す。背中を丸めて、出来る限り風の抵抗を受けないように。
自分の爪先だけを見て歩いていたら、視界に白いものが舞うのが見えた。
ゆき
薄暗い空を見上げ、「ゆきだ」なんて独り事を呟いた。
温暖化が進んだ近年、獄寺が住む地域に雪が降るのは珍しい。日本に来て、初めての降雪になんとなく、こころが弾んだ。中学生だし、偶には雪に心躍らせてもいいよな、自分に言い訳もするりと出て来た。
「よし、」
くるりと踵を返すと、いま来た道を戻り始めた。
10代目の分と、おれの分と。
なにかあったかいものでも買って行こう。
楽しいことは分け合いたいんだよ。だいすきなきみと。
ほんとうに独白ばっかだな。いちおー2759ってことで。
20081226 myogaAyuco.